1)男子尿道炎
男性のクラミジア性尿道炎は、感染後1~3週間で発症するとされているが、症状が自覚されていない症例も多く、感染時期が明確に出来ない場合がよく見られる。淋菌性尿道炎と比べ潜伏期間が長く、発症は比較的緩やかで、症状も軽度の場合が多い。男子尿道炎の分泌物の性状は漿液性(サラサラ)から粘液性(ベトベト)、量は少量から中等量と少なく、排尿痛も軽い場合が多い。軽度の尿道違和感や不快感だけで無症候に近い症例も少なくない。尿道をペニスの根本から搾り上げると分泌物が確認できることがある。また、確認できない場合でも、尿沈渣中には白血球が確認できる。注意すべきは、男性においても無症候性感染が増加しているということである。20歳代の男子の尿スクリーニングにおけるクラミジア陽性率が4~5%とする報告もある。
2)男子精巣上体炎
男性クラミジア性尿道炎患者の約5%に精巣上体炎を併発すると言われている。中年以下の年齢層における副睾丸(睾丸の上の部分)の痛み・炎症の多くはクラミジアが原因とされる。クラミジア性の精巣上体炎は、他の細菌による精巣上体炎に比べ腫れが軽度で場所も広がりを見せず、精巣上体にとどまる場合が多い。また、発熱はあっても軽度である。
3)子宮頚管炎・骨盤内感染症
クラミジア性子宮頚管炎は、感染後、1~3週間で発症する。クラミジアはこの経過中に比較的速やかに子宮の入り口部である子宮頚管から奥へと侵入しやがて腹腔内に達する。その結果、子宮付属器炎(卵管炎)や骨盤腹膜炎などのPID(骨盤内炎症性疾患)を呈することになる。
子宮頚管炎の症状は、おりもの(帯下)の増量・不正出血・下腹痛・性交痛などが教科書的記載であるが、女性性器クラミジア感染症の半数以上が自覚症状を感じていない。また、まれではあるが、感染が上腹部にまで達すると肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)に至る場合がある。腹腔内に侵入したクラミジア菌量が多い場合、あるいは腹腔内のの感染が長期に持続した場合、下腹部の激痛や時に上腹部にまで及ぶ激痛のため、救急外来へ搬送されることがある。
4)咽頭感染
オーラルセックスなどにより、咽頭にクラミジアが感染することがある。女性性器にクラミジアが感染している症例に対し、咽頭クラミジアの検出を試みると、約10~20%の陽性率をみるとされる。この場合の咽頭クラミジア陽性者は、ほぼ全例、無症状であった。慢性の扁桃腺炎や咽頭炎のうち、セフェム系薬剤の治療に反応がなく、長期化するものの約1/3にクラミジアが認められたという報告があるが、一般的に性器に感染したものと比べて治療に時間がかかると言われている。
投稿者 性病検査室 :2008年2月18日