トリコモナス原虫による感染症は、最もポピュラーなSTDとして、古くから知られているものの一つであります。その特徴として、地域による感染率の差が大きいこと、近年我が国では減少傾向ではあるが、再発を繰り返す難治症例も少なくないこと、などかあります。
再発の経過をみると、原虫の残存によるもの、隣接臓器からの自己感染によるもの、パートナーからの再感染によるもの、があります。
つまり、膣トリコモナス症は患者自身の膣ばかりでなく、子宮頸管、下部尿路やパートナーの尿路、前立腺などにも侵入し、ピンポン感染をきたすにもかかわらず、男性に比べ、女性側の症状が強いことも特徴です。また、本感染症とHIV感染やPIDなどとの関係にも留意することが必要です。
また、本疾患は、感染者の年齢層が、他のSTDと比べて非常に幅広く、中高年者でもしばしば見られるのも特徴です。これは、無症状パートナーからの感染によるものが多いことを示しています。
さらに、性交経験のない女性や幼児にも感染が見られることから、他の感染経路、すなわち身に付ける下着やタオルなどからの感染や検診台、便器や浴槽を通じての感染などが知られています。
投稿者 性病検査室 :2008年3月12日